路面融雪

■ 路面融雪について

路面融雪は主に住宅の玄関先・車庫前などの雪を融かすことを目的とします。

当社では温水配管での融雪が圧倒的に多いのですが、少面積でオール電化住宅などの場合は電気ヒータ埋設型を選定したり、ご予算や建物の使用状況などにより既存舗装版を解体するのが困難な場合には電気ヒータマット敷設型を選定することもあります。

路面融雪はその性質上、屋根融雪と違って積もった雪を溜めておくことができないため、必然的に運転時間が長くなる場合が多くなる傾向があります。


1.路面融雪(PEX埋設式)

かつて路面融雪にはポリブテン管が使われた時期もありましたが、現在では軽く・柔らかく・施工性と耐久性に富む、高密度架橋ポリエチレン管(PEX)が主流となりました。
路面融雪で万が一漏れが生じた時など、 舗装版埋設では漏れ箇所の特定や配管修繕が困難となります。
当社ではできるだけそのリスクを下げるために一回路一巻の連続した配管を使用し、埋設部には継手を含まないよう施工します。
基本的にはコンクリート舗装版内への埋設を計画しますが、アスファルト舗装版内への埋設を行う場合には耐熱温度の高いアルミポリエチレン複合管などを使用し、冷水で冷却を行いながら施工する場合もあります。

施工事例1:路面融雪(車庫前)・灯油ボイラ熱源・PEX埋設式

個人住宅の車庫前約80㎡を灯油ボイラーで融雪させて頂いたお客様です。
個人住宅の場合、多くは玄関前・車庫前程度で20㎡位までの面積に対応することが多いのですが、こちらのように大面積施工となる場合には、世帯構成が変わった場合などのランニングコスト低減のため、放熱面積を後から可変切替できるように配管回路をブロック割します。
温水式路面融雪の場合、使用する配管材(高密度架橋ポリエチレン管、PEX)の耐熱温度などを考慮して、多くは路面をコンクリート仕上げとします。
またコンクリートの表面は金ゴテで表面を均一に均した後、ハケ引きを行って防滑性を高めます。

施工事例2: 路面融雪(アプローチ)・ PEX埋設式

個人住宅の玄関に至るアプローチを灯油ボイラーで融雪させて頂いたお客様です。
融雪範囲の延長は10mほどかと思いますが、このくらいの面積であっても毎日の雪かきは重労働であり、連日の降雪に見舞われると次第に雪のやり場にも困るようになりますので、お客様からは重宝して頂きました。

施工事例3: 路面融雪(車庫前)・ ヒートポンプ熱源・PEX埋設式

車庫前の路面融雪を空気熱ヒートポンプ(EHP、三菱電機メルスノー)にて行った事例です。左側の写真右端に写っているエアコン室外機のようなものがEHPの室外機です。まさにエアコンが私たちの身近にある代表例なのですが、ヒートポンプ機器では冷媒の膨張・収縮プロセスにより熱を作り出します。ジュール熱を利用するいわゆる「ヒーター」では投入エネルギーに対して出力エネルギーが100%を超えることはありませんが、このEHPでは出力÷入力(成績係数、COP)が200~300%にも達する、省エネ高効率熱源です。

施工事例4: 路面融雪(駐車場)・ ヒートポンプ熱源・PEX埋設式

事例3と同じく、当社お客様駐車場をEHPによって路面融雪施工した事例です。
降雪センサーにより運転開始したばかりのときには配管が入っている真上だけがジワッと渦巻き状に融け始め、次第に全体に熱が回るときれいに雪が消えてなくなります。
EHPでは機器の性質上、灯油ボイラーやガスボイラーに比べて高温での出湯を得意としないため、急なドカ雪や初雪シーズンの湿った重い雪はシャーベット状に融け残ることも良くあります。
そのような時は長時間運転し続けることでカバーする必要があります。

施工事例5:路面融雪(駐車場)・壁掛け型ガスボイラ熱源・PEX埋設式

店舗兼住宅の駐車場4台分を壁掛け型ガスボイラにて融雪させて頂いた事例です。
店舗の営業/休業状況やランニングコストのコントロールを視野に入れて融雪範囲を分割しました。
建物向かって右半面をOFFにすると左半面分だけを融かすことができます。

施工事例6:路面融雪(アプローチ)・灯油ボイラ熱源・PEX埋設式

灯油ボイラによりお住まいまでのアプローチ(斜路)を融雪させて頂いた事例です。急な坂道でもあり、凍結防止も目的としています。延長のうち接道部から10mほどは来客向けに車両が停められるよう幅広に融雪しました。赤外線サーモグラフィカメラでも融雪面の温度が効率よく高まっていることがわかります。

施工事例7:路面融雪(アプローチ)・ガスボイラ熱源・PEX埋設式

壁掛け型ガスボイラ熱源により玄関前を、電気ヒータマットにより階段を融雪させて頂いた事例です。ガスボイラは専用機械室を設ける必要が無く、また燃料切れや燃料配管の詰まりとも無縁のため、シーズンを通じて快適にご利用頂くことができます。


2. 路面融雪(電気ヒーター埋設式)

施工事例1: 路面融雪(車庫前)・電気ヒーター熱源・ 車庫前

個人住宅の車庫前を電気ヒータで融雪させて頂いたお客様です。
電気ヒータを路面融雪に用いる場合、以前は設置後数年で絶縁不良が起こることも多く、当社では第一選択としない傾向がありましたが、近年では製品の品質も高まってきたようです。
ヒータは100V/200Vのいずれにも対応した製品がございますが、十日町市周辺では300W/㎡程度の高出力ヒータが必要となるため、契約容量が大きくなる傾向にあるため、 20㎡程度までの少面積事例に限って選択するようになりました。

施工事例2:路面融雪(車庫前)・電気ヒーター熱源・車庫前

こちらも車庫前を電気ヒーターで融雪させて頂いたお客様です。
電気ヒーターによる融雪は設備がシンプルでイニシャルコストが比較的お手頃なこと、燃料補給を気にしなくて良いことなどから、オール電化住宅に採用されることが多いようです。
従来東北電力エリアでは融雪用電力という安価な料金メニューがありましたが、2016(平成28)年4月からの電力小売自由化以降は「一需要家一単相契約」の原則により、従量電灯契約(1Φ3W-100V/200V)をしている場合、3Φ200Vの契約が前提となるようです。


3.路面融雪(電気ヒーターマット敷設式)

温水配管埋設式・電気ヒーター埋設式のいずれも新築外構打設時に施工するか、または既存の路盤を一旦解体剥離して施工する必要があるため、一時的とは言え融雪面への乗り入れに支障をきたすほか、工期が長くなり、費用が高くなる傾向があります。
そこで玄関前、車庫前など限られた面積については電気ヒーターが内蔵されたゴムマットを敷く、という施工方法もあります。
この場合、現場工事といえばせいぜい電源を用意するか、あるいは電源のON-OFFを制御する装置を設ける程度となり、工期・費用の両面からメリットがある他、長期使用においても劣化部分のみを更新することが容易であるため重宝されます。

施工事例1:路面融雪(車庫前)・電気ヒーターマット

お出かけ前に車庫に積もった雪を除雪するのが大変で融雪マットを設置したお客様の例です。
この段階では完全に消えているというよりはシャーベット状ですが、積もることを防止しているという観点では十分効力を発揮しているものと評価できます。
融雪マットには通路用(9mm厚品、えんじ色)と車路用(13mm厚品、チャコールグレー)がありますので注意が必要です。


施工事例2:路面融雪(階段)・電気ヒーターマット

玄関前から道路に至るまでの階段に融雪マットを敷き込んだお客様の例です。
こちらは自動制御装置を組み込み、雪が降ってくるとON/降り止むとOFFになるようにしました。
階段部分に温水式で融雪を施そうとするとコンクリートやアスファルトの増打ちが必要となるため、高額になりがちです。
比較的費用を抑えた方法としては良く効いていると評価できます。

施工事例3:路面融雪(アプローチ)・電気ヒーターマット

玄関前から道路に至るまでのアプローチに融雪マットを敷き込んだお客様の例です。
マットの幅に沿って雪がきれいに消えて無くなっています。
若い頃は冬場の運動を兼ねて路面除雪をされる方も多いのですが、ご年齢が長じるに従って意外と重労働だと気づく方が出てきます。
コンクリートの解体復旧を伴わずに設置するだけですので工期も短くて済みました。


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