ストーブ(排気筒)

排気筒の重要性

ペレットストーブでも薪ストーブでも、排気を屋外に排出し、また燃焼をスムーズに継続させるためには、排気筒の存在が欠かせません。「煙突」の方が呼び名として通用しやすいかと思いますが、定義上両者は異なるものとして分類されています。ここでは「排気筒」と記載します。

薪ストーブの購入を考えたことのある方は、工事費全体のうち約半分が本体価格、残り半分が煙突価格、ということを知って驚かれたことがあるかも知れません。このことからも何となく想像がつくかと思いますが、実はストーブの世界では「排気筒(煙突)こそが燃焼装置」と言っても過言でないほど重要な存在なのです。

ドラフト効果について

排気筒の目的として一番大きいのが「ドラフト効果」です。ストーブの燃焼により熱せられた空気(排気ガス)はエネルギーが高く(分子運動が活発に)なり、また比重が小さくなることで、拡散しようとします。この排気ガスを排気筒という狭い筒に導き、上だけを開放してやると、排気ガスの排出速度が高まることになります。この一連のメカニズムをドラフト(煙突)効果と呼ぶのです。一般論として煙突は長いほど排気速度が高まり、排出がスムーズになります。

排気速度が高まると燃焼室からは空気の吸い出しが起こるため気圧が下がり、今度は給気(燃焼の為の空気取り入れ)量も多くなります。これにより新しい酸素が次々に供給されるため、燃焼速度も高まるのです。燃料に対して必要十分な酸素が供給されると燃焼効率が高まり、不完全燃焼が抑制されて、環境汚染物質の低減と省エネにつながります。

参考:株式会社山本製作所(https://www.yamamoto-factory.co.jp/)

ペレットストーブにおけるドラフトの有用性について

ペレットストーブでは基本的に本体に内蔵された排気ファンによる機械排気を前提としています。しかしながら停電時や不完全燃焼による固形物付着(※)などにより排気がスムーズに行われない状態になるとドラフト効果なしには安定燃焼ができなくなります。したがって当社では屋内立上げないし屋外立上げ(原則2m以上)を推奨しております。

(※)例えば燃料を節約したい場合や比較的温暖な環境下で使用する場合など、ストーブの火力が小さい状態で長時間運転を続けると、燃焼室内の温度が低いことで発生した炭化水素ガスが十分燃焼しないまま強制的に排気されることで、排気筒内面に灰やタールが付着しやすくなります。このことが原因となって排気経路の断面積を次第に狭めることとなり、排気が弱められ、結果として給気が弱まるため、連鎖的に燃焼状態が不完全燃焼側に偏っていく傾向があります。燃料を節約したい場合にも、温暖な環境でストーブを使いたいときも、できればECOモード(設定室温に到達すると最小火力で継続燃焼する)ではなくSTANDBYモード(設定室温に到達すると一旦消火モードに入り、室温がある温度まで低下した後再着火する)で使用されることをおすすめ致します。

排気筒と煙突の違い

名称定義
煙突機器からの排気温度が260℃を超えるものに用いる。
排気筒機器からの排気温度が260℃以下のものに用いる。
給排気筒外側が給気筒で、内側が排気筒となっているもの。

(参考: 石油燃焼機器の煙突・排気筒・給排気筒の設置について…
財団法人日本石油燃焼機器保守協会 )

排気筒の種類と用途

当社で取り扱う、イタリアMC社の排気筒には以下の種類があります。

1.Φ80鉄シングル直管と継手類

主に屋内用途で使用します。
EN基準のΦ80排気口にそのまま接続できます。
基本的には<元(機器側):先(排気末端側)>=<メス:オス>の接続要領により延長します。
比較的安価ですが、厚肉で管重量が大きくなります。
潜熱改修型ストーブ(高熱交換効率を実現するため、排気温度が低くなる)への組み合わせや、屋外立上げ用に使用すると管内面に結露を生じる事があり、錆の原因となる場合があるので注意が必要となります。

2.Φ80×100断熱二重管スリムと継手類

主に屋外用途で使用します。
EN基準のΦ80排気口<先オス>とは<元メス>のT字管や排気筒を介して接続できます。
基本的には<元(機器側):先(排気末端側)>=<オス:メス>の接続要領により延長します。 Φ80鉄シングル管とは逆差しとなることに注意が必要です。
先に述べたとおり、機械排気を前提としたペレットストーブにおいても、停電時や排気経路が閉塞傾向の場合にはドラフト性能を期待する事があります。
屋外で排気筒延長を行う場合、屋外部分が1m程度までは後述のΦ80SUSシングル管で良い場合もあるようですが、基本的には断熱二重管を使用することを推奨します。

断熱二重管は内筒と外筒との二層構成となっており、両者の空隙部には断熱を目的としたセラミックファイバーが充填されています。
ドラフト効果を発揮するには排気温度を高く(拡散のための保有エネルギーを高く)保つ必要があるため、排気筒外面からの放熱をできる限り抑えることを目的として設計された商品です。断熱層が排気筒口径Φ80mm×外形Φ100mmの「断熱二重管スリム」と排気口径Φ100mm×外形Φ120mmの「断熱二重管」を取り揃えております。

3.Φ80SUSシングル直管と継手類

主に屋外用途で使用します。
EN基準のΦ80排気口にそのまま接続できます。
基本的には<元(機器側):先(排気末端側)>=<オス:メス>の接続要領により延長します。 Φ80鉄シングル管とは逆差しとなることに注意が必要です。
Φ80鉄シングル管に比べると比較的高価であるが、薄肉で管重量が小さくなります。
潜熱改修型ストーブとの組み合わせや、屋外立上げ用に使用して管内面に結露が生じたとしても元側がオスとなる接続要領であり内面を伝って結露水が末端下部まで流下し、T字管の排水口から排出されるよう設計されています。
SUS製であることから錆びにくく長期使用に耐えうる仕様となっています。

4.その他

排気筒の壁面固定金具や壁貫通化粧プレート、壁貫通養生用ロックウール等を品揃えしております。


>ストーブ(アクセサリ)

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