電気料金高騰!いま改めて脚光を浴びる「ペレットストーブ」とは?

新型コロナウイルス感染拡大からの経済回復によるエネルギー需要の増加、天候不順や災害、さらに2022年2月以降のロシアによるウクライナ侵攻などによって、エネルギーの需要と供給のバランスが崩れ、エネルギー価格が高い水準で推移しています。

日本の電源構成は火力発電によるものが70%以上であり、その燃料はほとんどが海外からの輸入による調達に依存しています。

日本全体の電源構成(2021年速報) 出所:電力調査統計(環境エネルギー政策研究所:ISEP)

世界各国による燃料の奪い合いで価格がうなぎ上りになった今冬、企業努力によるコスト吸収が限界を迎えたとして、全国の大手電力会社5社が2023年4月から電気料金の値上げを決めました。

ただでさえ食品・日用品などの値上がりも続く中、切実なニュースです。

申請会社規制料金部門の
平均引き上げ率 
実施予定日詳細リンク
東北電力株式会社32.94%2023/4/1P41「電気料金の設定について」
中国電力株式会社31.33%2023/4/1P11「申請原価の概要(規制料金)」
四国電力株式会社28.08%2023/4/1P6,19「電気料金の値上げ申請の概要」
沖縄電力株式会社43.81%
※自由化部門も37.91%
2023/4/1P6「電気料金の値上げ申請の概要」
北陸電力株式会社45.84%2023/4/1P9「申請原価の概要(規制料金原価・改定幅)」

日本の家庭におけるエネルギー消費量は暖房・給湯・調理といった「熱エネルギー」としての利用を合計すると6割以上であり、またエネルギー源の構成を調べると「電気」の占める割合が半分以上です。

家庭におけるエネルギー消費量の内訳は暖房・給湯・調理の「熱利用」が6割以上(資源エネルギー庁)
家庭におけるエネルギー源の構成は「電気」が5割以上(資源エネルギー庁)

暖房分野では2010年ごろまで、安い深夜電力を利用した商品・サービスの普及が進み、新潟県でも「オール電化」「蓄熱暖房(蓄暖)」が大流行しました。

しかし原発事故以降、再稼働への道のりは なかなか険しく、電力各社も深夜電力メニューの廃止や、再エネ導入の推進、燃料価格高騰などの環境要因は厳しくなる一方で、やむを得ず電気料の値上げに踏み切らざるを得なかったようです。

蓄熱暖房機。安価な深夜電力でヒーターによって蓄熱材を暖め、日中その熱をゆっくりと暖房に利用する。

そんなことを理由に関心が高まったためか、ここ2週間ほど毎日のように「ペレットストーブ」「ペレット」へのお問い合わせや資料請求が続いています。

当社では2011年からペレットストーブの取り扱いを開始し、当初は国産メーカーから技術指導を受けながら年間数台しか販売していませんでしたが、2014年からイタリアEDILKAMIN社、2018年からベルギー」Stuv社のストーブを輸入販売するようになりました。

新潟県十日町市にある、北越融雪のショールーム。

先日ショールームにお越しのお客様も現在は蓄暖をご使用中で、
「ひと月の電気代が10万円に迫っている。このまま春の値上げで3割も高くなったら、来年は暖房ができなくなるかも…と不安になり、蓄暖をやめてペレットストーブにしようと思う」
とご不安を抱えてご相談にみえました。

当社ではこれまで「熱量が大きく、灰の少ないホワイトペレット燃料」を中心におすすめしてきましたが、これからは「熱量はそこそこ、灰もある程度出るが、より安価な全木ペレット燃料」にもっと力を入れるべきタイミングに差し掛かっているようです。

右がマツ系原料のホワイトペレット、左が杉系原料の全木ペレットです。

全木ペレット燃料は品質のばらつきも大きく、灰による燃焼中の失火などトラブルが起きることも時々あるようですが、以前から取り扱っているイタリア「CS THERMOS」社のストーブは、固まった灰をすりつぶして取り除くクリーニング機構が内蔵されているため、おそらく手ごわい燃料に対しては絶大な威力を発揮してくれるはず。

イタリア、CSTHERMOS社のペレットストーブ。

CS THERMOS のストーブについてはまた次回詳しくご説明します。