こんにちは、大橋です。
「今年はスーパーエルニーニョがやってきて暖かい冬だから雪はふらないヨ…」
去年(2023年)の夏ごろ、そんな話を幾人かの方から耳にしました。
たしかに年末年始は道ばたの積雪も10cm程度で、近所に出かけるのであればサンダル履きでも大丈夫でしたので、
「やっぱり今年は少雪だナー」
と思っていたのですが、ここへ来て雪マークが連続して見られるようになりました。
┃ エルニーニョ現象とは
エルニーニョ現象が発生すると、熱帯太平洋の東部で海面水温が平年より高く、西部で海面水温が低くなります。 この水温の変化によって、通常は熱帯太平洋の西部で活発な対流活動が東に移動し、インドネシアや南米の北部では平年より雨が少なく暖かくなります。 また、熱帯からの大気の変動を通して、日本では冷夏、暖冬となる傾向があります。(出典: JAMSTEC )
…ということで暖冬になるわけですが、日本海を流れる対馬海流(暖流)の温度も例年より高めになることが知られており、これにより海面から蒸発する水蒸気量も多くなる傾向があるようです。
┃ 雪が降ってくるのは
雨や雪が降ってくるのと似た現象をお風呂場で見ることができますが、湯船と浴室の温度差が大きいとモクモクと湯気が立ちますよね。これが冷たい天井で冷やされると凝結して(結露)、やがてポタリと背中へ落ちる…と言うのが雨や雪の降ってくる仕組みです。
暖冬でも、というより暖冬だからこそ、雪の種というべき水蒸気はモクモクと立っているので、冬型の気圧配置と呼ばれる「西高東低」になるとシベリアからの寒気団が上空の水蒸気を一気に冷やして短時間に大量の降雪を生み出す場合があるのです。
┃ 雪は厄介者?
時として私たちの快適な暮らしを妨げる厄介者のように思われがちな雪ですが、空気中のちりを捉えて包み込むことによって空気を清浄化したり、雪解けのときにはゆっくりと大地に染み込んで豊かな水資源をもたらしたり、という恩恵ももたらしてくれています。
世界的な人口増加が続いていますが、将来は石油資源ではなく水資源を争うようになると考える識者もいるようです。日本に豊かな水をもたらしてくれる地形・気候に感謝しながら雪を迎えたいですね。