エネルギーの未来!長府工産が描く熱源機のこれから

以前より融雪・暖房用熱源機でお世話になっている、長府工産株式会社さん(山口県下関市)を訪問させて頂きました。

山口県では2018年ごろから全国トップクラスの大量かつ高純度の水素を生成するという同県の強みを活かし「水素先進県」の実現を目指して県内外の企業に協力を呼び掛けていました。

長府工産さんでも灯油を代替する新エネルギーとして、水素ガスを直接燃焼させるボイラーの開発を手掛けておられるとは聞いていたのですが、コロナ禍のため計画した視察が延び延びになっていたところ、ようやく実現したものです。

長府工産本社に隣接する水素ボイラーの実証施設。
水素ボイラーのほか燃料電池とEV用の充電ステーションを併設している。
山陽新幹線 新下関駅に到着。すぐ次の駅は北九州市小倉(こくら)で関門橋を渡った先は九州!
ホテルから望む瀬戸内の穏やかな海。

当社のある新潟県十日町市から下関市までは新幹線を利用してもおよそ8時間の長旅。終業間際の訪問では十分な視察も難しいため、ホテルに一泊して翌日の視察となりました。

まずは本社で社長・専務を表敬訪問させて頂き、技術課長さんから水素ボイラーの実証施設をご紹介頂きました。

ボンベ庫には水素ガスが10本建てで格納されており、現在は4,200円/本で約20日分のエネルギー源とのこと。実用化には1/3~1/4程度に下がってくれれば良いのですが…。
左:水素ボイラーは160㎝ほどで一般的な石油給湯器の2倍ほどの高さですが、内部に90Lの貯湯槽を持っているため。
燃焼中は水蒸気がモヤモヤと立ち昇るだけで、運転音も限りなく静か。 石油系燃焼器にありがちなニオイもなく、クリーンな次世代エネルギー、といった感があります。

約1時間ほど水素ボイラーについてご説明頂いたのち、車で15分ほど離れた生産拠点、亀浜工場をご案内頂きました。

亀浜工場の内部。通路と作業エリアが明確に色分けされているうえ、垂直・水平・直角・並行がバチッと揃えられ「良い製品は環境整備から」を形で表してくれています。
年数が経ったプレス機もきれいに磨き上げられ、もとは緑色だった外装をブラックにお化粧直しされて、現役で活躍していました。
さまざまなボイラー用の金型たち。取り出しやすく、戻しやすいように整然と棚に収められています。
ボイラーに部品を組み付ける屋台。立ち位置を変えなくとも必要部品が目に入り手が伸ばせるように半円形に工夫されていました。この作業台は社員お手製とのこと。
工具も置場・品名・数量が一目瞭然に明記され、整頓されていました。
真剣なまなざしでバーナーの出荷前試験中。工場内に女性の方が多くおられたのが印象的でした。

すべては紹介しきれませんが、本社でも工場でも社員の皆さんが手を止めて爽やかにご挨拶下さり、風通しの良い社風と誠実な人柄が良い製品を作り出しているのだな、という印象を受けました。

忙しい中にも関わらず視察を受け入れて頂き、隅々までご案内頂きましたこと、改めて御礼申し上げたいと思います。

余談ですが、視察後8時間余りをかけてたどり着いた越後湯沢駅では吹雪でホームが凍り付き、日本列島の長さを肌で感じる一日でした。

吹雪が凍り付いた越後湯沢駅のホーム。