電気料金高騰!いま改めて脚光を浴びる「ペレットストーブ」とは?(2)

前回、

電気料金高騰!いま改めて脚光を浴びる「ペレットストーブ」とは?

という記事でCS THERMOS 社のストーブについて少しご紹介しました。

ペレットストーブでは固形の燃料を燃やす際、成分の一部が灰として燃え残ります。

一口に灰と言っても「サラサラしたもの」「ベタベタしたもの」「ゴツゴツと固まるもの」など、さまざまな特徴があり、中でもたちが悪いのが灰同士が融けながら固まり「クリンカー(※)」と呼ばれる溶岩のような焼結物が発生する場合です。

(※)クリンカーとは、鉱物や無機物質が焼き固まったもの。 焼塊(しょうかい)ともいわれる。 クリンカーを作るためには、原料の中に融点の低い物質が少量含まれることが条件になる。 原料を1500度近くまで熱し、その後急激に冷やすことでクリンカーができる。
(出典:https://plant.ten-navi.com/dictionary/cat07/5364/)

ペレットに限らず私たちの身の回りで物が燃えるときには(1)可燃物(2)酸素(3)熱源の3つの条件がそろうことが必要であり、俗に「燃焼の三要素」などと呼ばれることもあります。

燃焼の三要素である(1)可燃物(2)酸素(3)熱源。
(出典:https://inakagurashiweb.com/archives/11594/)

一方、ペレットストーブの燃焼ポットは、新鮮空気を取り入れるためのスリットや通風孔が空いているのですが、ここが灰やクリンカーにより目詰まりすると酸欠により燃焼が持続できなくなって、次第に炎が赤黒くなり途中失火に至ります。

ヨーロッパでも北部は森林資源が豊富で安価なのですが、南部や地中海沿岸では良質の材木が入手しづらいといった事情から、農業副産物(オリーブの種やナッツの殻など)の使用が試みられてきました。

様々な燃料。樹木の幹部を用いたホワイトペレットから外皮だけのバークペレット、その他果実の種や殻、時として飼料用トウモロコシも燃料として混焼される。

この際やはり種や殻は燃え残りやすい素材であり、燃えた後も元の姿をとどめたまま灰になるため、燃焼の持続性に問題がありました。スペインやイタリアのメーカーではこれに対処するため、灰を砕くようなメカニズムをストーブに組込むことで連続燃焼を可能としたのです。

CS THERMOSのストーブ断面図。

当社でも当初はLASIAN(スペイン)、のちにCS THERMOS(イタリア)のストーブを取扱って、様々な条件下で燃焼試験を行いました。CS THERMOSのストーブには一定時間ごとに燃焼灰をすりつぶしながら排出するエコ・マルチバーナーを搭載しており、ストーブの前扉を開けずに長時間の連続運転が可能です。

CS THERMOS社のオリジナル、エコ・マルチバーナーと社長のCanzian氏。

今後は高気密高断熱住宅にも対応の密閉型(シールド)モデルも日本市場にご紹介する予定。 早ければ4月上旬にも日本上陸の見通しです。

CS THERMOS GARDA HERMETIC。