配管の膨張にご用心!

平成2年ごろに新築したお客様より「床下で水漏れしている」とのご連絡を頂き、現場へ駆けつけました。すると、壁内に設置してある温水のさや管を伝って床下へ漏水していることが判明。 こちらでは給水・給湯を「さや管ヘッダー工法」で施工してありました。

壁内のヘッダーです

さっそく台所の床下収納へ揚水ポンプを設置して溜まり水を排水すると共に配管を更新して修理完了となりました。

排水中の様子です

今回撤去した配管の写真がこちら。

漏水のあったポリブテン管
わずかに線のようなものが見えます
配管の曲がりなりに力を加えるとパックリと口が開きました

こちらのポリブテン管は施工が簡単で耐熱性に優れ、樹脂管なので腐食に強く衛生的で安心です。また「巻き物」と呼ばれるロール状の荷姿で納品されるほど柔軟性に富んだ配管なのですが、長年のご使用に伴って配管の伸縮疲労が蓄積し、部分的に座屈を生じたのかもしれません。気になったので配管の線膨張率を調べてみました。

管種
線膨張率10℃~50℃、1mあたり膨張長さ
銅管 17.7×10^-6/K 0.7mm
ポリブテン管1.5×10^-4/K6mm
架橋ポリエチレン管 1.4×10^-4/K 5.6mm

配管の固定点から固定点までが4mだったとすると、銅管の場合2.8mm程度の伸びなのですが、ポリブテン管では24mm(2.4cm、約10倍)の伸びになります。軽く、軟らかく、施工しやすく、価格も手ごろな樹脂管ですが、経年による脆化(堅くもろくなること)との影響もあって今回のような事故が起きるようです。

北越融雪では屋根融雪で同様の漏水が起きないよう、温度変化に対する膨張特性に優れた肉厚なまし管を使用しています。どうか安心してご相談ください。