ペレットストーブのトラブル対応にお伺いしました

最低気温がひとケタの日も増えてきてストーブを使い始める方が多くなる時期となりました。

「北越融雪さんの設置したストーブでトラブルのようです」とメーカーさんからご一報をいただきお客様のお宅へお伺いしたお話をご報告します。

ご連絡を受け、お客様宅へ到着すると
建物の中より焚き付けするときのくすぶっている煙特有のにおいが・・・。

お話を聞いたところ、朝から3度、着火を試しているとのことで

ポットには白い煙を立ち昇らせる火種が残っていて、そこから建物内へ煙が充満しているようです。まずは煙の元を断つために濡れたウェスに包み、屋外へ持ち出し確認しました。

ペレット下に給気口をふさぐように燃えカスが見えます。お客様へどのような着火材をご利用なのか確認をしました。

すると着火材として市販の文化たきつけと、ちぎったトイレットペーパーの芯を使用しているとのことでした。取り扱い説明書では紙類使用不可との記載があるので

今後の使用方法について推奨着火材をお勧めいたしました。さらに確認を進めたところ排気ファンが軸から脱落していることから、そもそも排気ファンが経年劣化で故障したことが原因で着火しない・できない状態でした。

排気ファン交換の段取りを行い、お客様へご説明、本日の作業は終了となりました。お伺いしお話することで使い方やトラブルの原因が見えてくるので、お困りの際は気軽に問い合わせいただければと思います。

【 ペレットストーブで全館暖房 】 床暖房編

EDILKAMINの温水式ペレットストーブなら、1台で全館暖房が可能です。

パネルヒーターや床暖房との組み合わせで、ストーブを置いた部屋はもちろん 玄関ホール、脱衣室、お手洗いから寝室まで暖まります。

【 対応機種 】

・EDILKAMIN IDROSALLY 14kW
 温水出力 11kW
 温風出力 3kW

・EDILKAMIN MYRNA 15.3kW
 温水出力 13kW
 温風出力 2.3kW

・EDILKAMIN SPOT 10.1kW

 温水出力 6.5kW
 温風出力 3.6kW

設計および製品仕様に関するお問い合わせは北越融雪にて承ります。

EDILKAMINのIDROSALLY(イドロサリー)。
温水11kW、温風3kWで100㎡以上もの床暖房に対応する、温水式ペレットストーブ。

【 ペレットストーブ 】お宅で買ったストーブは不良品だ!?|ペレット燃料とクリンカのお話

当社では全国各地のペレット工場やストーブ販売店さんから、ペレットの燃焼試験依頼を受けることがあります。

先日、主にスギ材を原料とした全木ペレットをストーブで燃焼してみたところ、分かりやすい「クリンカ(溶融灰)」が形成されたので、ご紹介します。

まずはペレット燃料の種類について。

現在国内で流通する木質ペレットはおおよそ3種類に分類されています。

原料によるペレットストーブの分類。市場に流通しているものは主にホワイトペレットか全木ペレット。

今回試験させて頂いたペレットはこの表の中央「全木ペレット」に分類されるもので、当社で現在中心的に取り扱っている「ホワイトペレット」と比べると、燃焼前の時点から見ためが随分違います。

ホワイトペレットと全木ペレットの例。

左がホワイトペレット、右が試験燃焼した全木ペレットです。

ホワイトペレットは樹木の芯材が原料であり、全木ペレットは芯材のほか樹皮やその他の部分も混入していることから、外見上多少まだら模様であったり、濃褐色だったりする傾向にあるようです。

このペレットを当社取扱いのEDILKAMIN POINTでまる一日(約9時間)燃焼させてみたところ、燃焼ポットに灰の塊がビスケット状にゴッソリと残ってしまいました。

燃焼試験後にポットの中に残ったクリンカ。一旦クリンカの核ができると、ポット底面からの流入空気量が少なくなり、燃焼条件が崩れることで連鎖的に成長する。
クリンカを真上から見下ろしたところ。縦8cm、横8cmほど。
クリンカを真横から見たところ。高さ2.5cmほど。

まるでポットの形なりに灰が固まり、8cm×8cm×2.5cmぐらいの大きさに固まっています。

9時間燃焼していた間、前半から中盤までは調子よく黄橙色の炎が勢いよく立ち上がっていましたが、クリンカが大きくなり出すにつれ、後半の1~2時間ぐらいは炎が次第に赤みを増してゆらゆらと揺らめくようになっていました。

良好な燃焼状態の写真。黄橙色の炎が勢いよく立ち上がっている様子。

典型的な給気量不足、不完全燃焼に近づいた燃え方です。

このような状態では燃費も悪くなりますし、ススの発生も多くなります。

さらに場合によってはポット内に供給された新しいペレットにうまく着火できずに(失火)、つぎつぎに供給されるペレットでポットが山盛りになってしまうこともあります。

クリンカの発生原因については

「成長速度が速い植物、部位に多く生成物質が含まれています。雑草や竹などは樹木に比べてかなり成長が速いので、これらで作られたペレットは大量のクリンカーを発生させます。また樹木ですと樹皮側が幹中心部より成長速度が速いので樹皮部が含まれるほどクリンカーを発生させます。バークペレット、全木ペレットはクリンカーが発生するとお考え下さい。」(木質ペレットについて|葛西ユーロストーブ

という情報がありました。

日本では戦後、スギがその「成長の早さ」と「加工のしやすさ」から建材利用を見込んで全国各地に植樹され、樹齢70年以上を経過した現在では多くが間伐もされずに放置されていることから、間伐材の出口戦略として「スギペレット」が出てくることが多いようです。

日本では戦後スギの植樹が全国で奨励されたが、現在では比較的安価な外材にとって代わられたことからその多くが利用されずに荒廃している。

つまり、

スギ=成長が早い植物=クリンカができやすい(特に樹皮が混じっていると)

という関係性があるようですね。

当社でも海外からの輸入ペレットストーブを扱い始めたころ、燃料の種類によってクリンカが発生することについての理解が浅かったため、ストーブ設置初年度のお客様から

「お宅で買ったストーブは不良品だ!」
「いつの間にか火が消え、 ペレットがどんどん出てきて燃料タンクまでつながる」

というお叱りを受けて現場に行ったところ、同じようにポットの中にガチガチに固まったスギペレットのクリンカが溜まっていた、ということがありました。

結局「試しにこちらでもお試しいただけますか?」とご提供したホワイトペレットの時にはクリンカ発生が再現されず、結局ペレットの特徴によるものだった、ということが分かり、ホッと胸をなでおろした記憶があります。

家庭用ペレットストーブの場合、専門の管理員を置くわけにもいきませんし、毎日付き合う暖房器具ですので、このクリンカの発生にストレスをつのらせないためには、

「調達しやすさ」
「クリンカの発生具合」
「発熱量」
「価格」

などに注意しながらいくつかのペレット燃料を使ってみて、一番しっくりくるものをお選び頂くのがよいかと思います。

今春、イタリアから入荷予定のCS THERMOS GARDAでは、このクリンカを細かく砕きながら灰受け皿に落とすシステムが組み込まれています。

ご関心のある方は是非一度当社(0120-028-119)までお問い合わせ下さい。

試験燃焼のご相談も承ります。

電気料金高騰!いま改めて脚光を浴びる「ペレットストーブ」とは?(2)

前回、

電気料金高騰!いま改めて脚光を浴びる「ペレットストーブ」とは?

という記事でCS THERMOS 社のストーブについて少しご紹介しました。

ペレットストーブでは固形の燃料を燃やす際、成分の一部が灰として燃え残ります。

一口に灰と言っても「サラサラしたもの」「ベタベタしたもの」「ゴツゴツと固まるもの」など、さまざまな特徴があり、中でもたちが悪いのが灰同士が融けながら固まり「クリンカー(※)」と呼ばれる溶岩のような焼結物が発生する場合です。

(※)クリンカーとは、鉱物や無機物質が焼き固まったもの。 焼塊(しょうかい)ともいわれる。 クリンカーを作るためには、原料の中に融点の低い物質が少量含まれることが条件になる。 原料を1500度近くまで熱し、その後急激に冷やすことでクリンカーができる。
(出典:https://plant.ten-navi.com/dictionary/cat07/5364/)

ペレットに限らず私たちの身の回りで物が燃えるときには(1)可燃物(2)酸素(3)熱源の3つの条件がそろうことが必要であり、俗に「燃焼の三要素」などと呼ばれることもあります。

燃焼の三要素である(1)可燃物(2)酸素(3)熱源。
(出典:https://inakagurashiweb.com/archives/11594/)

一方、ペレットストーブの燃焼ポットは、新鮮空気を取り入れるためのスリットや通風孔が空いているのですが、ここが灰やクリンカーにより目詰まりすると酸欠により燃焼が持続できなくなって、次第に炎が赤黒くなり途中失火に至ります。

ヨーロッパでも北部は森林資源が豊富で安価なのですが、南部や地中海沿岸では良質の材木が入手しづらいといった事情から、農業副産物(オリーブの種やナッツの殻など)の使用が試みられてきました。

様々な燃料。樹木の幹部を用いたホワイトペレットから外皮だけのバークペレット、その他果実の種や殻、時として飼料用トウモロコシも燃料として混焼される。

この際やはり種や殻は燃え残りやすい素材であり、燃えた後も元の姿をとどめたまま灰になるため、燃焼の持続性に問題がありました。スペインやイタリアのメーカーではこれに対処するため、灰を砕くようなメカニズムをストーブに組込むことで連続燃焼を可能としたのです。

CS THERMOSのストーブ断面図。

当社でも当初はLASIAN(スペイン)、のちにCS THERMOS(イタリア)のストーブを取扱って、様々な条件下で燃焼試験を行いました。CS THERMOSのストーブには一定時間ごとに燃焼灰をすりつぶしながら排出するエコ・マルチバーナーを搭載しており、ストーブの前扉を開けずに長時間の連続運転が可能です。

CS THERMOS社のオリジナル、エコ・マルチバーナーと社長のCanzian氏。

今後は高気密高断熱住宅にも対応の密閉型(シールド)モデルも日本市場にご紹介する予定。 早ければ4月上旬にも日本上陸の見通しです。

CS THERMOS GARDA HERMETIC。

薪からペレットへ ストーブ入替え │ EDILKAMIN CHERIE 11 EVO │ ペレットストーブ

美しい炎とパワフルな暖房能力から、薪ストーブを使用される方は数多くいらっしゃいます。

ところが若い頃は楽しみながらできていた毎シーズンの薪集めや薪づくりが、60代ごろを境にだんだんと億劫になってくる方も少なくないようです。

エアコンや電気ストーブだと身体の芯からぬくもる暖かさには程遠く、また電気料金も容赦のない値上げが続きそうなので不安要因。

灯油ストーブやガスファンヒーターなら暖かいかもしれないが、あの楽しみにしていた炎が観られなくなってしまう…

そんなあなたにグッドニュース。

現在ついている薪ストーブの煙突をそのまま利用して、ペレットストーブ用排気筒を接続することができるかもしれません。

ペレットストーブなら、炎から直接伝わる赤外線のぬくもりも、パワフルな暖房能力もあきらめる必要はありません。

また、ペレット燃料はお近くのホームセンターやストーブ販売店で
安定的に購入可能ですので、燃料を自作する手間からも解放されます。

ぜひ、お気軽にご相談下さい。

お問い合わせは0120-028-119(北越融雪 宮腰ミヤコシ)まで。

既存ストーブの写真やお住まいの平面図・立面図等があると、ご相談がよりスムーズになります。

【 再エネセミナー 】いつでも、どこでも使える地中熱

小千谷市で「再生可能エネルギー 熱 普及啓発セミナー」に参加しました。

また家庭用での最終エネルギー消費の約半分は熱エネルギーですが、コロナ禍の終息による経済活動の復調と、露ウ戦争による天然ガスの流動性低下により、全世界的にエネルギー価格が高騰しています。

電気は光にも動力にもまた熱にも変換でき、長距離輸送も可能なため、私たちの暮らしにとって必要欠くべからざるエネルギーですが、その多くは熱→動力→電気という順で発電されているため、発電所でのエネルギー変換効率はトップクラスでも約55%と45%は放棄していることになります。

しかも送電時や変電時にも少しずつ損失が生じるので、末端で熱エネルギー利用をする頃には50%を割り込むことも珍しくありません。

一方、一般的な家庭用(灯油・ガス)ポイラーではエネルギー変換効率が低いものでも85%以上、高いものでは潜熱回収技術の利用によって100%超であり、大幅に有利です。

つまり、熱エネルギーは使用するその現場で作るのが有利と考えられますが、近年叫ばれる温暖化抑制の動きから低炭素化(ゼロカーポン)でこれを実現するにはまさに「再生可能エネルギー 熱」をいかにうまく実現するかが決め手といえます。

各業界とも国内を代表する一流の講師ぞろいで大変ためになるセミナーでした。当社でもますます研究を深め、お客様のお役に立てるよう技術を磨いて参ります。

【マサカの坂】有事に思う

当社の温水循環システムでは、熱源として灯油ボイラを採用することが多いのですが、その主要仕入先の1社が山口県に本社を置く「長府工産株式会社」です。

長府工産株式会社 代表取締役 伊奈紀道氏。

この度、同社製ボイラの一部に不具合事例が報告されたのですが、 メーカーとしては事態の収拾を図るため、該当する機種の納品先で順次部品交換を実施することを発表しました。

製品不具合というのは、 誠実なものづくりを旨としていても起こり得る「マサカの坂」ですし、年間数千~数万台のボイラを出荷するメーカーとしては事態の収拾にかかる費用と時間を想像するだけでも、気が滅入るたぐいの出来事かと思います。

しかし実際に製品を使用されるお客様のこと、またお客様に設備をお納めする我々施工業者や販売店のことを想い、明るみにしづらいであろう出来事に対して、スピーディかつ誠実な対応をとって頂いたことに感銘を受けました。

私たち北越融雪は、本当に素晴らしい取引先に恵まれています。

今後も末永くお付き合いさせて頂きたいと思います!

配管の膨張にご用心!

平成2年ごろに新築したお客様より「床下で水漏れしている」とのご連絡を頂き、現場へ駆けつけました。すると、壁内に設置してある温水のさや管を伝って床下へ漏水していることが判明。 こちらでは給水・給湯を「さや管ヘッダー工法」で施工してありました。

壁内のヘッダーです

さっそく台所の床下収納へ揚水ポンプを設置して溜まり水を排水すると共に配管を更新して修理完了となりました。

排水中の様子です

今回撤去した配管の写真がこちら。

漏水のあったポリブテン管
わずかに線のようなものが見えます
配管の曲がりなりに力を加えるとパックリと口が開きました

こちらのポリブテン管は施工が簡単で耐熱性に優れ、樹脂管なので腐食に強く衛生的で安心です。また「巻き物」と呼ばれるロール状の荷姿で納品されるほど柔軟性に富んだ配管なのですが、長年のご使用に伴って配管の伸縮疲労が蓄積し、部分的に座屈を生じたのかもしれません。気になったので配管の線膨張率を調べてみました。

管種
線膨張率10℃~50℃、1mあたり膨張長さ
銅管 17.7×10^-6/K 0.7mm
ポリブテン管1.5×10^-4/K6mm
架橋ポリエチレン管 1.4×10^-4/K 5.6mm

配管の固定点から固定点までが4mだったとすると、銅管の場合2.8mm程度の伸びなのですが、ポリブテン管では24mm(2.4cm、約10倍)の伸びになります。軽く、軟らかく、施工しやすく、価格も手ごろな樹脂管ですが、経年による脆化(堅くもろくなること)との影響もあって今回のような事故が起きるようです。

北越融雪では屋根融雪で同様の漏水が起きないよう、温度変化に対する膨張特性に優れた肉厚なまし管を使用しています。どうか安心してご相談ください。


【ペレットストーブ】ペレットマン西馬音内さん、Youtubeデビュー!

秋田県にある、ストーブ販売店「ペレットマン西馬音内(にしもない)」の大野社長がYoutuberデビュー!しかも映えある第一号の投稿は、当社がベルギーから輸入しているStuv社の「P-10」を取り上げていただきました\(^o^)/

動画では「”なんじゃこりゃ?”だらけのストーブ」とご紹介いただきましたが、私も初めて展示会でこのストーブと出会った時全く新しいコンセプトに「なんじゃこりゃ?」と感じたのを昨日のことのように思い出します。ペレットストーブなのに、ペレットストーブらしくない。薪ストーブでもないのに、静かで、暖かい。ガス化燃焼だから炎が美しい。しかも排気が断然キレイ。多くの方の目に触れてほしい、優秀な一台です(^^)

大野社長、ありがとうございましたm(_ _)m

【ペレットストーブ】シモタニ エマーソン │ 湯沢町 HATAGO井仙

半戸です。GOTOトラベルも始まり、秋の行楽シーズンへ向けて観光客の足も戻りつつあるようです。今回、越後湯沢駅西口にほど近い「HATAGO井仙」様にてペレットストーブの設置を行いました。

井仙の井口社長は「雪国観光圏」という7つの自治体から構成される広域観光コンソーシアムの代表を2008年から務めるほか、2019年にはお隣の南魚沼市で「温泉御宿 龍言」を「ryugon」として再スタートさせるなど、新潟県の観光業を牽引する若き経営者です。

2階ダイニング「むらんごっつぉ」にConcord Emerson( シモタニ )を設置させていただきました。落ち着いた和モダンの室内にシルバーと黒のシンプルなストーブが映えます。この冬は越後湯沢へぜひおでかけ下さい。

余談ですが、シモタニさんではこの秋、新機種としてConcord Mayを発売予定です。女性に喜ばれそうな可愛らしいユニークなデザインと、料理もできるオーブントップが魅力的ですね。また追加情報をアップしますので楽しみにお待ち下さい。